葵祭

行列の構成

5月15日 葵祭(あおいまつり)

葵祭行列の写真

京都三大祭のひとつ葵祭は、下鴨神社と上賀茂神社の例祭で、「枕草子」にも称えられています。内裏神殿の御簾をはじめ、御所車、勅使、供空者の衣冠、牛馬にいたるまで、全てを葵の葉で飾ったことから「葵祭」と呼ばれ、「路頭の儀」と「社頭の儀」がよく知られ、路頭の儀が都大路約八キロの道のりに繰り広げられる行事です。行列は、勅使をはじめ検非遣使、内蔵使、山城使、牛車、風流傘、斎王代など平安貴族そのままの姿で総勢約500人の列をつくり、午前10時30分、京都御所を出発。そして王朝風の優雅な列が市中を練り、下鴨神社を経て、上賀茂神社へ向かいます。

 

第1列
検非違使(けびいし)・山城使(やましろづかい)
第2列
御幣櫃(ごへいびつ)・馬寮使(みりょうづかい)・牛車(ぎっしゃ)
第3列
舞人(まいうど)・勅使(ちょくし・近衛使)
第4列
陪従(べいじゅう)・内蔵使(くらづかい)
斎王列
斎王(さいおう)・女人(にょにん)

検非違使(けびいし)

検非違使の写真

平安京の警察であった検非違使の役人。行列の警備にあたる。

 

山城使(やましろつかい)

山城使の写真

山城国を治めていた山城使(国司庁の長官)。

 

御幣櫃(ごへいびつ)

賀茂両社の神前に供える御幣物を納めた櫃で、白木の唐櫃に注連縄をかけ、かつがれてゆく。

 

馬寮使(みりょうづかい)

走馬をつかさどる六位の武官。

 

牛車(ぎっしゃ)

牛車の写真

御所車といわれ、勅使(ちょくし・近衛使)の乗る車で、藤の花などを軒に飾り、牛に引かせる。牛童(うしわらわ)、車方、大工職などの車役が、替え牛とともに従う。

 

舞人(まいうど)

近衛府の五位の武官で、歌舞の堪能者がこの日の舞人を勤める。

 

勅使(ちょくし・近衛使)

勅使の写真

行列中の最高位者。四位近衛中将がこれを勤め、祭りの本来の主役。

 

陪従(べいじゅう)

近衛府の五位の武官で、歌をうたい楽器を奏でる。

 

内蔵使(くらづかい)

近衛使が神前で奏上する御祭文を持参する役。

 

斎王(さいおう)

斎王の写真

かつて未婚の内親王が務めていた。現在は京都在住の未婚女性から選ばれた斎王代が務める。きらびやかな十二単衣の重さは30キロもある。乗っている腰輿(およよ)は四方が開放され御簾(みす)が取り付けてあるので、四方輿ともいう。

 

女人(にょにん)

女人の写真

斎王に従う女人列。華やかに王朝絵巻を繰り広げる。